どうも明治エラです。
今回は、卒業研究や実習で、実験ノート(ラボノート)を書き始める理系大学生向けに実験ノートの書き方を紹介します。
実験ノートの意義
実験ノートとは、実験の全記録を記すものです。
研究室に配属されると、実験ノートなるA4やB5の方眼ノートを実験ノートとして、研修室に来た日は書いて、卒業時に研究室に置いておくように言われることでしょう。
これまで2〜3回生での実習では、プロトコル(実験方法)が冊子やレジュメになって配られる事がほとんどなので、別にノートを用意して記録するという事はやらなくても良かったかもしれません。
なぜならば実習では、毎年同じ実験をしているので、最適な実験方法や条件が既に確立されている為です。
しかし研究室でのガチの実験になると、そうはいかない。
実験方法が研究室で既に出来上がっているとは限らず、その場合は実際に実験を行っていく過程で、条件を変えたりしてベストな実験方法を自分で作り上げることになります。
言わば料理研究家みたいなもので、1番美味しくなるレシピを色々試して作っていくのです。
じゃあどうやって最高のレシピは作られるのか。
次項で見ていこう。
何を書けばいいのか
先程は実験を料理のレシピ作りに例えましたが、実験と料理では細かさがまるで違う。
料理のレシピには、塩コショウ適量だとか、ひとつまみとか曖昧な事が書いてあって心底イラつきますが、実験はもっと繊細で、グラム(g)はおろか、ナノ(n)やマイクロ(μ)単位に試薬/試料の量が変わる事で結果が変わる事もあるし、天候(室温や湿度)の影響を受けて実験結果が変わる事もあります。
いつも通りに実験をやっているつもりでも、日によって結果が変わってしまうのはそんな些細な違いが影響している場合が多いにあります。
それで、もし実験が上手くいかなかった時は、何がこれまでと違ったのかを比較して検証しなければならなくなります。これは大体教授と一緒にやる事になります。
そんな時、記録がなかったら、何を改善すれば良いか教授も分からないので、何の改善策も得られないまま「とりあえずもう一回やって」となってしまいます。
1日潰れるような実験でとりあえずもう一回は、精神的にもやられるし、時間の無駄すぎる。
以上を踏まえると、何を書けば良いかは自ずと分かるはず。そう、日々の実験方法や条件、結果を全て記録する必要が出てきます。
具体的には
- 日付
- 天候
- プロトコル(実験方法)
- 試料の情報(どんな環境で育てたものか、播種から何日経過したものか、どこの部位を使ったのか)
- 実際に使った試薬/試料の量
- 反応時間(各工程にどれくらいの時間がかかったか)←これは同じ実験を繰り返す場合に所要時間を把握していると尺が測れて便利なので記録すると良い
- 実験結果
- 考察(メモ程度でOK)
- 予定、次に何をするかを書く
あとは植物など実験材料を育てている場合は、定期的に水をやったり肥料を入れることがあると思います。
そういうのも記録しておきます。
6/14日 水やり
的なのでOK
レイアウト
これは、他の人が読んでも理解出来れば何でも良いですが、見本を提示しておこう。
作業タイトルに★を付けることで、見やすくしています。
同じ作業をする時は、○日と同様と書いて、材料や条件のみを書いています。
所要時間をメモすることで、今後予定を立てるのに役立ちます。
プチ疑問コーナー
実験ノートがA4って大きくない?
デカくない?使いづらそうって思うかもしれませんが、全然そんなことありません。
逆に、B5だと書くスペースが足りないです。
プロトコルとかめっちゃ書かないといけないし、試薬に付いてくる紙(プロトコル)はB5が多いので、コピーして貼るのにもA4が便利。
方眼は、図や絵を書くのに便利だから…か?
ただ、罫線のノートだとダイナミックに使えないってのはある。
恐らく実験ノートは研究室から支給されると思いますが、(後に研究室にて保管するため)自分で用意する場合は「方眼A4ノート」を購入しよう。
記入はボールペンで
実験ノートは、実験をしたという証拠です。
よって、シャーペンでの記入はNG
黒もしくは青のボールペンで記入しましょう。
誤字脱字した時にノートが汚くなるのはめっちゃ嫌ですが、最終的に研究室に保管する物なので割り切りましょう。
最後に
研究室に来る毎にノートを書かないといけないのは、めっちゃ面倒臭いですが、慣れます。
私は社会人になっても実験ノートの習慣が残っていて、仕事の進捗やその日習った事をノートに書いています。
頭で記憶するなんて無理ですからね。ノートに代わりに覚えてもらいましょう。
記録命!!
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